これが一生分の運かあ・・・
前回した話、覚えてらっしゃいますか?
一人暮らしをする私の部屋に、PCの設定変更工事のため、清潔という名の着ぐるみを着た小汚いおじさんがやってくる、というやつです。
工事を請け負った先の方は、私のおかしな願いを聞き入れてくれ、マスクと清潔な手袋と清潔な靴下と、新品のスリッパまで持参して来てくれました。
チャイムが鳴って玄関を開けたらおじさんが?
ーいいえ、ここからは、もう、お伽噺ですね。
目が瞑れるほどの煌めきを放つ美青年が、だったのです。
もう(ーあれ?これは夢かな?日頃、私が妄想する中でも、最大級の夢かな?)って思いましたよね。
180cm超えでスタイル抜群の美青年です。「遅れてすいませんでした」と微笑んだ際に黒水晶みたいな煌めきを放つ瞳、マスクをしててもわかる、すっと通った鼻筋と美しい肌質・・・もうね、「あれ、夢と魔法の王国って、ウチだったのかな?」ですよ。確かにミッ〇ーぽいの、ウチにいますからね、ハムスターですけど。
もう、猛烈に後悔しましたね、『何故、マスク・手袋・靴下着用を強いたのか!!』と。天使様が我が部屋にご降臨されたというのに、なんてもったいない!!と。
しかし、ここで、「あ、マスクとかもういいんで・・・」とか言ってしまったら、モテ慣れた美青年に(え?それって僕が美形だから?ーハッ、これだから女ってやつは・・・)て呆れられること必至、断腸の思いで、潔癖キャラを貫きました。
言葉少なめで、丁寧に、てきぱきと作業を続ける美青年の背中をうっとりと見つめながら、私は、手を伸ばせばつかめるんじゃないか、ってほどはっきりと、その姿を見ました、一生分の運、ってやつを。
・・・無駄遣いしたよねー!!